福祉のまちづくりの推進目標(基本構想スローガン)
基本構想
地域の現状と課題
高齢化・少子化・晩婚化などの要因により、世帯の構成人数が減少し、核家族化や単身世帯化の進行などにより家族機能が変化する中で、認知症高齢者の増加なども見込まれるとともに、高齢者やしょうがい者の介護負担の問題や、悪徳商法による被害などの消費契約に関する問題なども増加することが予想されます。
人は誰でも、住みなれた地域で健やかに暮らしたいという願いを持っています。しかし、介護や子育てなど困難な課題が生じると、本人や家族の力だけでは乗り切ることが難しいのが現実です。そこで、例えば介護保険法や障害者自立支援法によるサービスなどが介護を社会全体で支えようとしているわけですが、公的なサービスだけでは生活全般を支えることはできません。
虚弱で閉じこもりがちな人の見守りや声かけなど、行政サービスにはなじみにくい支援は、普段から顔見知りである近隣の住民や、ボランティア活動などによる支援が必要です。
このような社会背景から、家庭の介護能力や扶養能力の低下、地域の連帯の弱体化がすすむ中で、社会的孤立の防止などのために「新しい地域の支えあい」の仕組みをつくることが喫緊の課題となっています。
福祉のまちづくりにおける社会福祉協議会の使命と役割
平成12年の社会福祉法の改正では、「地域福祉の推進を図ることを目的とする団体」として位置づけられ、地域福祉推進の担い手として、住民参加によるきめ細かい福祉サービスなどを積極的に推進していく役割や、利用者保護のための「権利擁護」や「苦情処理」を行う新しい役割なども担っていきます。
福祉のまちづくりの推進目標
地域福祉は、生活機能上にしょうがいがある人も社会の一員としてともに生きる社会の創造をめざして、福祉サービスを必要としている人々が社会、経済、文化その他あらゆる分野の活動に参加できるように地域での生活を支援することを目的としています。
社会福祉協議会は、地域福祉を推進するために、小地域を活動の基盤として、新市住民に地域福祉活動に参加していただき、ネットワークと協働により行政機関、各種団体などと役割を分担し、制度の谷間にあるニーズにも積極的に対応できる公益性の高い非営利民間福祉団体という持ち味を生かしながら、地域に密着した利用者の立場に立った生活支援を行い、誰もが安心して暮らすことができる福祉のまちづくりを目標として活動を推進します。
基本計画
①誰もが安全に、安心して暮らせる福祉のまちづくりをすすめます。
②活動の主体と場を、住民と小地域に求める小地域福祉活動を展開します。
住民の福祉ニーズに立脚し、住民が自ら参加して解決を図る自主性と主体性に基づいた民主的な活動を支援します。また、お互いに顔見知りで日頃から声をかけあえる小地域を基盤に、福祉課題の早期発見・早期対応や、地域に密着した生活支援などに取り組みます。
③在宅福祉サービスを通じて総合的な生活支援を行います。
在宅福祉サービスを通じて自立生活の支援を行い、介護保険法や障害者自立支援法など 制度によるサービスのみならず、低所得者や制度の谷間にあるニーズにも対応します。
④「お互いさま」と支え合える参加と協働の輪をつくります。
住民や行政、広範な機関、福祉団体との連携や連帯を強め、ネットワークと協働・パートナーシップにより、事業を展開します。また、共通の悩みや困難を抱える人たちの仲間づくりや支援者の輪づくりの活動を支援します。
⑤住民1人ひとりの権利を尊重する事業に取り組みます。
生活者・消費者としての自己決定を尊重した生活支援を行います。判断能力が不十分な人に対するサービスの利用援助や日常的金銭管理などを行う事業に取り組み、成年後見制度による事業を支援します。また、虐待防止のための活動に協力します。
⑥ 思いやりのこころを育むまちづくりをすすめます。
児童生徒から高齢者まで、ハンディキャップの理解や体験などの福祉教育・学習を通して、お互いの違いを認め合い、お互いを思いやる、差別や偏見のない地域づくりに努めます。また、ボランティアセンターの機能を強化し、福祉講座やボランティア講座などを企画して、人材の育成など、ボランティア活動の振興に努めます。災害など非常時に備えて、災害救援ボランティアの養成も行います。
福祉のまちづくりを推進するための社会福祉協議会体制の充実
合併により広域化する中で、福祉活動の停滞やサービスの低下がおきないように、本所のほか、旧町村ごとに支所を設け、できるだけ身近な地域で、効率的に事業を実施するために、隣組・行政区、小学校区、旧市町村の範囲、市全域と暮らしの範囲ごとに、関係機関団体と連携しながら、重層的な福祉サービスの提供を行います。また、公益性を持つ団体として、中立公平な組織運営に努めるとともに、役職員の資質向上を図りながら、よりよいサービスの提供に努めます。